【注意喚起】その「リースバック契約」、本当に“ずっと住める”契約ですか?
こんにちは。不動産に関する正しい情報をお届けするブログです。
今回は、近年急増している「住宅のリースバック契約」に関する注意喚起です。
特に高齢の方を中心に、強引な勧誘によるトラブルが多発しています。実際、2024年度は全国で200件を超える相談が寄せられ、契約当事者の7割以上が70歳以上という実態があります。
◆ リースバックとは?
「リースバック」とは、
ご自宅(戸建てやマンション)を不動産業者に売却したあと、そのまま賃貸契約を結んで住み続ける仕組みです。
✅ 売却 → 賃貸契約 → 家賃を払いながら同じ家に居住
一見、便利な制度に見えますが、実際にはトラブルの温床になりやすいリスクを多く含んでいます。
◆ 実際にあったトラブル事例
● 事例1:12時間にわたる長時間勧誘で契約させられた(80代男性)

「売却してもそのまま住める」と説明され、強引に契約。
解約を申し出たところ、手付金50万円+違約金50万円を請求され…。
● 事例2:押しかけ営業で不安にさせられ承諾(90代女性)
「マンションを売って、毎月25万円払えば住めます」と言われ契約。
解約には600万円の違約金がかかると…。
● 事例3:生活困窮で契約後、家賃が大幅に値上げ(70代女性)
当初6万円の家賃が3年後に11万円に。
支払えず、退去を求められる結果に…。
● 事例4:認知症の父が相場の1/3で契約(80代男性)
本人の判断能力がない状態で、相場より大幅に安い400万円で売却されていた。
◆ トラブルが起きる主な原因
- 💬 「ずっと住み続けられる」という誤解を生む説明
- 🧾 違約金や家賃上昇の説明不足
- 🕒 長時間・執拗な訪問勧誘
- 🧓 高齢者の判断力低下に乗じた契約
◆ 消費者へのアドバイス
- 強引な勧誘には「きっぱり断る」勇気を持ちましょう。
➡ 訪問を許す前に「売るつもりはありません」と明言を。 - クーリング・オフが効かない契約です。
➡ 契約成立後は簡単に解約できません。 - 契約前に家族や信頼できる人に必ず相談を。
- 家賃を支払い続けられるか、現実的にシミュレーションを。
➡ 特に年金生活の方は、家賃上昇リスクにも要注意です。 - 不安な場合は、すぐに消費生活センターへ相談を。
📞 消費者ホットライン:188(いやや!)
◆ 国も警鐘を鳴らしています
国民生活センターと国土交通省は共同で、「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公開しています。
▶ 消費者トラブルFAQサイト
◆ まとめ
リースバック契約は、資金確保や住み替えには有効な手段となるケースもありますが、その内容を正しく理解せずに契約すると、取り返しのつかない結果を招く恐れがあります。
「そのままずっと住める」と言われても、契約内容をしっかり読み、冷静な判断を持ちましょう。
そして何より、1人で判断しないこと。